ミドルシニア世代のキャリア形成や人事施策について考えよう【人事のための対話会レポート #27】

こんにちは、ローンディールの笠間です。

今回は、8月に開催された第27回の内容を、ダイジェスト的に共有させてください。

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ローンディールでは、月1回、「人事のための対話会」という場を開催しています。大企業・ベンチャー問わず、人と組織の可能性を信じ活動をされている方が集まって、特定のテーマに対して他社事例を聞いたり、それぞれの課題を共有した上で意見交換する、というものです。人事の方々の越境機会として、人事の方が安心して語り合える環境をご用意しています。(対話会を立ち上げた思いについては、こちらをご覧ください!)
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ミドルシニア世代の課題としては、役職交代におけるマインドチェンジ、モチベーション向上、リスキリング、技術継承等多岐に亘るかと思います。今回の対話会では、人事ではなく、今年で59歳を迎えた住友生命の臼田さんをゲストにお招きし、ミドルシニア世代に本当に必要な人事施策や支援について、参加者の皆さんと深めていきました。

はじめに

最初に、参加した約20名の皆さんがミドルシニア向けに取り組んでいる人事施策について共有しました。

<自社のミドルシニア向け取組施策>

①雇用機会の提供
 ・賃金の下落を防ぎつつ、65歳までの雇用継続制度
 ・70歳までの就業機会確保制度
②セカンドキャリアの支援
 ・セカンドキャリア支援制度(早期退職者向けの新しい活躍の場を提供)
 ・社外での個人事業や副業支援のための自己充実休職制度
 ・早期転進支援制度(45歳から58歳まで)
③地元に帰りたい等の個別ニーズへの対応
 ・産学連携で地域で従事する機会提供
④自分のキャリアや価値観を内省する機会
 ・50歳以上の社員に越境の場を提供
※その他:敢えて年齢での区分せず全社員に実施
 ・社員の「ありたい」「なりたい」を応援する公募での異動制度
 ・年齢制限なしの社内公募制度

続いて、課題についても共有しましたが、いずれの企業でも手探りな状態であることが大変よくわかりました。

<課題感>

・年齢区分に応じた施策が不足しているため、他社の事例を学びたい
・若手とミドルシニア層の間でエンゲージメントに差が生じている
・能力主義への移行により、ミドルシニア層のエンゲージメントが低下している
・若手向け施策が中心となり、ミドルシニア層が取り残されている
・社内公募制度では、若手優先の選考が行われがちで、ミドルシニア層の活躍機会が限られている

臼田さんとのパネルディスカッション

臼田さんは、営業関連の役職を歴任し、幅広い営業経験を積んでいらっしゃいました。57歳の時、社内公募でレンタル移籍に挑戦され、ヘルステックスタートアップの事業開発に従事。現在は、住友生命でのご活躍に加えて、起業家や新規事業創出支援に取り組まれていらっしゃいます。
今回は、下記の3つのテーマに対してパネルディスカッションを行いました。

①ミドルシニア世代とは

多様性が非常に高く、本人体調、家庭事情、介護、会社へのエンゲージメント等を含めて、キャリア観は一人ひとり異なる。新卒入社の若手のように、モデル化して語れない。そのため、全員に当てはまる施策を作るのは大変難しいと思う。

②キャリア観の変遷

ビジネスパーソンは「縦のキャリア」を重視するが、縦にはゴールがある。
全員が社長になれないし、一緒に働いたことの有無が昇進判断に関わるといった巡り合わせによることもある。
ミドルシニアに対する人事施策は「縦のキャリア」に偏りがちだが、「横のキャリア」を含めたアプローチが必要なのではないか。「横のキャリア」とは自社の外で価値を作ったり、社会貢献する生き方。

③人事ができること

「縦のキャリア」と「横のキャリア」の両方を考慮したキャリア支援を行うことで、大企業への組織還元と個人の持続的な成長の両方を実現できるようになる。
また、ミドルシニア世代は、若い時に、自分の意志やビジョンを求められることは少なく、言語化する経験は少なかった。会社が言語化の機会を作ることで自分と向き合うことができるのではないか。

参加者の対話内容

上記を踏まえて、参加した約20名の皆さんと下記のような対話が生まれました。その一部をご紹介します。

・日頃、人事は「取り繕った言葉」を発信しがち。
 いい顔をするのではなく、人事が素直に話すことが重要だと感じた。
・横のキャリアに意識を持つアプローチはいつから始めればよいか。
 アクションを取りやすい35歳位から始めた方がよいという意見があった。
・横のキャリアを意識するための手段として、越境施策を充実させたい。
 すでに副業や兼業制度はあるので、社員にアピールしたい。
・私たち人事も、越境して横の世界を実際に見て経験することが必要。

このように、臼田さんのご経験やキャリア観の変遷をお聞きし、人事のできることを深める大変意義深い時間となりました!ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

対話会#27を終えて

もともと言語化は苦手だったという臼田さんですが、ご自身の原体験に基づく言葉には本当に迫力がありました。自分が無知であることに気づいていない「無知の無知」から、レンタル移籍を経てようやく「無知の知」になれたという自己開示があったのですが、しなやかに変化する姿はとてもいいですね。私もそうやって年齢を重ねていけるよう日々過ごして行こうと思います!

今回の内容紹介は以上とさせていただきます。9月は「社員の才能の活かし方」をテーマに開催予定です。例えば、社員の得意やWILLを把握するためのタレントマネジメントシステムや、公募型の異動や自己申告の活用方法、上司部下コミュニケーションとして目標設定や1on1ミーティングの活用方法等、様々な領域に跨るテーマかと思います。ローパフォーマーへの打ち手も含めて、皆さんで深めたいと思います!

もし本レポートをご覧いただき、ご興味をお持ちいただいた方は、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです!

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