【ワークショップ開催決定!】 VUCA&コロナ時代に「わたしのWILL」が大切な理由-ローンディール 大川陽介-
「あなたは、何をしたい人ですか?」
こう聞かれた時に、簡潔に熱く語ることはできますか?
未曾有のコロナ禍の影響で、仕事や生活の環境が大きく変わった人も多くいることでしょう。在宅勤務によりひとりで考える時間が増えたことで、改めて「自分は何者なんだろう?」と考え始めたという声をよく聞くようになりました。
しかしながら、「あなたは何をしたい人ですか?」と問われて、明確に語れる人は、あまり多くないと感じています。VUCAとも呼ばれるこの不確実で混沌とした時代では、「自分のしたいこと」を明確に表した羅針盤がなければ、行き先も決められません。環境の変化に振り回され、望まないことを我慢してやることになるかもしれません。
「わたしは、どうしたいのか?」
それを説明するのが、「WILL」です。不確実性の高い、未知なる人生を航海するために、頼りにすべき「羅針盤」のようなものです。先が見えずとも、今向かう方向を、自分で決めることが出来たなら、そこに全力を尽くすことができます。失敗したら、また「羅針盤」を見て、方向修正すればいいじゃないですか。大切なのは、「自ら選択して生きる」ことです。
そこでこの度、「自分自身のWILLを発掘するワークショップ」を初開催いたします。そこで、なぜ「WILL」が大切なのか? その背景や思いをまとめました。
目次
WILLを持つことの重要性
1)WILLを持つと人生も仕事も楽しくなる
「自ら選択して生きる」ことが大切なのは、人生においてだけでなく、仕事においても同じです。不確実な時代であっても、自らの仕事に意味づけ(選択)をしながら、「働きたいから働く」ことができると、人はモチベーションを維持しながら働けます。
実は、働くモチベーションが時代により変化することはダニエル・ピンクにより以前から指摘されています。彼が著した『モチベーション3.0』の中で、社会が成熟してきた現代は、内発的動機がモチベーションの源泉になるとあるのです。
つまり、不確実な時代に必要な意味づけをもたらす「WILL」であると同時に、内発的動機でもある「WILL」は、重要な意味を持ち始めています。
2)WILLは他者/他社を共感させ、仲間を惹きつけ、巻き込む力となる
弊社が提供している「レンタル移籍」という仕組みでは、レンタル移籍候補者とベンチャー企業の「マッチング(受入交渉面談)」というプロセスを重要視しています。ここでは、主に双方の目的や業務内容の摺合わせが行われるのですが、よくベンチャー企業から候補者に聞かれるのが「あなたは、何をしたいのか?」というWILLです。これが明確でないと、ベンチャーのWILL(ビジョンや価値観)に共感している理由がよくわかりません。「重なり」を見極めるためには、輪郭のあるWILLを持っておくことが肝要です。
これは、レンタル移籍に限りません。何かのプロジェクトを、誰かとはじめようとする場合でも、双方のWILLを共有して、共感をつくっていくところから始まります。「どんな未来を目指しているのか? どんなことをやりたいのか? 大切にしている価値観はなんなのか?」といった明確なWILLを持っていれば、この対話も非常に実りあるものになります。
また、イノベーションの文脈においても、「スタートアップ思考」と言われるように、起業家(アントレプレナー、イントレプレナー)に強烈な「WILL」が必須であることは、間違いないでしょう。強力な運命の仲間たちを惹きつける「魅力」であり、リソースも限られる中で、迫りくる多くの困難に立ち向かい、前進し続けるために、「WILL」は大きな拠り所です。
3)My WILL と Our WILL で考えると、自分が働きやすくなる
WILLには「わたしのWILL」と「組織のWILL」の大きく分けて2種類があります。この2つを重ねてみるとわかることがあります。
①「重なり」が「納得感」
②「違い」は「多様性」
この2つを認識することが大切です。重なっている部分が、自分がこの組織に関わりコミットする理由であると同時に、自分にとって組織で働くことへの「納得感」となります。一方、重なっていない部分も重要で、「組織にとっての多様性を生む源泉」となります。この部分を認識し、意図的に組織に取り込んでいくことで、組織は「多様性」によって成長し、個人は「納得感」を増すことができ、エンゲージメントが高まります。
このようにWILLがあると、自分が進む上での羅針盤となっていきます。そのイメージが見えてきたでしょうか。他人や新型コロナウイルスに舵を握らせず、何より「自分で選択する」ために、人生の羅針盤となるWILLを持ちましょう。
「わたしのWILL」の難しさ
ただ、この個人のWILLというのが、やっかいで難しいのです。私の例で少しお話しすると・・・。
・富士ゼロックス時代、自分のWILLを語る時、会社のミッション・ステートメントをそのまま使っていた(愛社精神が相当高めの人種です。今でも)。 ・本気でそう思っていたし、会社のWILLと完全に合致していることが理想的だと思っていた。 ・中途採用で入ってきた先輩に、「本気でそう思っているの?」と100回くらい問い詰められたことがある。 ・しかし、101回目くらいに「あれ?もし明日会社が消えてなくなった場合、同じことやるかな?やらないような気がする…!?」
というようなことが起きました。個人のWILLが、組織のWILLに完全に「同化」してしまっていたわけです。みなさんは、いかがでしょうか?「同化」までいかずとも、「ひっぱられている」ことは多いのではないでしょうか。
さて、101回目で気づいた私は、「わたしのWILLは、会社のそれとは違うかもしれない」という仮説を胸に、「わたしは、一体どうしたいのだろう?」という航海に出たわけです。羅針盤も持たずに(笑)。
当時のわたしは、「自ら選択し、行動する」というマイルールを定め、ひたすら色んな方向性の経験を重ねていきました。「これ、気持ちいいなぁ」「あれ? これはなんか心地よくない」など、自分の中の感情(リトル・オオカワ)と向き合いながら、「わたしのWILL」を腹落ちレベルで言語化することができました。最初に羅針盤を持たずに動き始めたため、かなり時間がかかってしまい、迷走してしまったことが、この記事を書いている理由につながる原体験です。今では、WILLを都度、変化させたり、ブラッシュアップしたりしながら、WILLに基づいた意思決定や行動を楽しんでいます。
「WILL」を見つけるためにWILLを分解して考える
WILLを見つけるためによくやるアプローチは、「わたしは、どうしたいのか?」という問いを自分に投げかけ続けることです。たしかに、この問いを持ちながら「意思決定して、行動する」ことを続けているうちに、「これだ!」と運命を感じるWILLに出会えるかもしれません。
しかし、VUCAな世界が加速する中で、そんな悠長なことも言っていられません。私のような遠回りにも間違いなく意味はありますが、遠回りはしないほうが良いのです。そこでまずは、手元に意思決定を悩まないための羅針盤「仮置きのWILL」をつくるところからはじめましょう。
「どうしたいのか?」と大きな問いのままでは、何から考えればよいかわからず、モヤモヤがなかなか解消されません。そこで、WILLを分解して考えてみます。
WILLは、個人の「バリュー」「ミッション」「ビジョン」という要素で構成されており、それらが一貫性を持っている状態です。それぞれの定義は、以下の通りです。
バリュー:価値観や信念、どう在りたいか
ミッション:命(時間)を使って取り組むこと
ビジョン:その結果、見たい状況や風景
文献や使い方によって、言葉の定義が異なる場合がありますが、今回はこのように定義することにします。
「わたしはどうしたいのか?」という大きな問いを、「わたしの、ビジョン、ミッション、バリューは何だ?」というように分解して考えてみると、これまで頭の中でモヤモヤしていたことが整理されていきます。
整理されたら、その中で特に、自分は周囲から「何によって憶えられたいか?」を考えてみてください。マネジメントの父であるピーター・ドラッカー氏の「何によって憶えられたいか、その問いかけが人生を変える」(『非営利組織の経営』より)の言葉のとおり、この問いかけが、あなたの人生を変えていきます。
良い「WILL」とは?
WILLには、正解も模範解答もありません。自分がそれを信じて、意思決定し、行動ができるかどうかがひとつの目安となります。今から取り組むことが明確に想像できる解像度であると良いですね。
ただ、人を巻き込む「WILL」であるためには、「意志」と「らしさ」が伝わる「ことば」になっていると良いでしょう。そのWILLを持つ本人を想起できるくらいの「ことば」があると理想的です。
心理学者のケネス・J・ガーゲンが『人々はお互いのことばのやり取り(対話/ダイアログ)の中で“意味”を作っていく』ことを「Words create Worlds」と表現したように、「ことば」は世界を変えます。
自分の原体験に紐づいた、自分だからこそ出てくるような「ことば」の発掘をめざして、思考したり、行動したりしながら、「ことば」を磨いていきましょう。
WILLを発掘する方法
弊社では、多くのレンタル移籍者をベンチャー企業に送り出し、覚醒させていく中で、「WILL発掘ワークショップ」というメソッドを磨き続けています。一年前に「自分のWILLの見つけ方」【ワークシート公開中】という記事を公開しましたが、そこからもさらに進化しております。
また、このワークショップを体験するイベントを、2021年1・2月に実施いたします!
さいごに
このWILLという羅針盤、無理に針の指す方向にいかなくてもいいと思っています。時には、あえて違う方向に進んでみてください。環境が変化すれば、羅針盤だって狂うこともあります。頼らずに直感で進んでもいいじゃないですか。大切なのは、自分で選択できるかどうかです。
WILLの重なるところで、みなさまとご一緒できる日を楽しみにしております。
大川陽介 Profile 株式会社ローンディール 最高顧客責任者 2005年富士ゼロックスにSEとして入社。ソリューション営業等を経て、2015年から新規事業開発。大企業やベンチャーとの共創活動を推進。2018年から人材開発を担当。また、約50社の大企業若手有志1700名を巻き込んだ任意団体「ONE JAPAN」の共同発起人として、挑戦する個人の覚醒、組織風土変革、オープンイノベーションによる価値共創に挑む。2018年12月よりローンディールに参画。大企業・移籍者の経験価値向上に取り組む。中小企業診断士。
\参加申し込み受付中/
「自分自身のWILLを発掘するワークショップ」開催
***本イベントは終了いたしました***
通常、レンタル移籍者に向けて実施している内容を、企業で働く個人を対象に実施します。本ワークショップは2日間です。Day 1は基本的な考え方のレクチャーやフレームワークを通して、ご自身のWILL発掘のワークショップを90分間で実施します。そしてDay2は参加者同士で「WILL」を共有し、お互いの「問いかけ」を通してさらに深めていくような内容になっています。組織の中での自分のあり方にモヤモヤしている方、何のために働くのか今一度考えたい方、ご参加をお待ちしています!
【開催概要】 日 時: Day 1:2021年1月18日(月)19:00~20:30 Day 2:2021年2月1日(月) 19:00~20:30 ※ 本ワークショップは2日間で1セットです 会場:オンラインでの開催です。Zoomにて配信予定 定員:20名 ※ 先着順 参加費:5,000円(両日合わせて)※定価10,000円 → 初回特別価格 対象:若手社員からマネジメント層まで大企業で働く個人 講師:大川 陽介(ローンディール 最高顧客責任者) 詳細:https://eventregist.com/e/JTunHayrkuQQ
【レンタル移籍とは?】
大手企業の社員が、一定期間ベンチャー企業で事業開発などの取り組みを行う、株式会社ローンディールが提供するプログラム。ベンチャー企業の現場で新しい価値を創りだす実践的な経験を通じて、イノベーションを起こせる人材・組織に変革を起こせる次世代リーダーを育成することを目的に行われている。2015年のサービス開始以降、計43社118名のレンタル移籍が行なわれている(※2020年12月1日実績)。