【最終章 独立よりローンディール】 取締役がレンタル移籍!? 〜ローンディールに参画するまで〜

<過去記事>
第1章 「修行してきます」
第2章「再び「教育」の分野へ」
第3章「 改めて、営業は向いていない」

— 新規事業への取り組み

2017年春。
テクノライブに戻ってきた後藤は、早速、新規事業に着手した。

まずはプロジェクトチームを作り、優秀なエンジニアがいるからこそできる新たなB to C向けのサービスを検討した。

そのひとつは当時先駆けだった3Dプリンタを用いた、3Dのフィギュアが作れるというサービス。後藤は事業責任者としてプロジェクトの指揮をとった。

もうひとつは、後藤がかねてからあたためていた企画で、同業者向けの社内コミュニケーションツールの販売である。もともとコミュニケーション系のツールの開発・販売を考えていたのだが、LOUPEのサービスに携わりよりイメージが明確になった。

エンジニアたちが密にコミュニケーションを取れるツールを開発し、それをB to Bで販売しようと考えてた。

今までだったら、準備だけで何ヶ月もかかっていただろう。
走りながら検証し、改善していくというスピーディーなPDCAを身につけた後藤の動きは早かった。同時で複数の案件を動かすこともできた。

しかし……
後者のサービスは、リリース直前、とある経営事情によりプロジェクトの中止が決まった。β版までは作れたものの、世に出ることはなかった。

それは、テクノライブの売却である。

— 「テクノライブ」売却

後藤が移籍を終えて半年が過ぎた2017年秋頃、テクノライブは新たな経営体制に向けて不安定な状態が続いた。
それは売却の検討である。

———そして2018年3月、正式に売却が決まった。
売却時期は翌4月。11月には親会社に統合されることになる。

— 「ローンデイールに関わってみますか?」

売却話が具体的になってきた頃、後藤は自身の今後について考えていた。

「レンタル移籍」での経験を活かし、社内のフロー改善をはじめ、新規事業に貢献した。取締役自ら率先してプロジェクトを先導することで、社員の士気もあがった。自分がやるべきことはやったと思う。

だからこそ、「この先ここにいて、自分にやるべきことがあるんだろうか」自問自答していた。

そんな中、後藤は、次の移籍者をテクノライブから出そうとしていたということもあり、ローンディールの原田と頻繁に会っていた。その際、自身の心境を話していた。

すると原田から提案があった。
「じゃあ、ローンディールに関わってみますか?」
「えっ……?」
それは約2年前、「まずは後藤さんが移籍してみますか?」以来、2度目の提案。

後藤はその言葉に、想像以上にワクワクしていることに驚いた。

それから少し経った2018年5月頃。
後藤はパラレルワークで、ローンディールに参画することになる。

— もはや営業ではない

ローンディールに参画してから数ヶ月。
後藤は原田の商談に同行していた。

新規でレンタル移籍を検討している企業との商談である。
後藤は自身が移籍経験者であることから、移籍による効果を自信を持って提言できた。

そのこともあってか、商談はスムーズにいくことが多かった。
そしていくつかの商談を通じて、後藤の中で大きな発見があった。
それは、営業活動が、後藤にとっては(苦手だと再認識していた)営業ではなくなっていたのだ。

というのもこの頃の後藤は、移籍を通じてこの仕組みが本当に素晴らしいと感じていたため(自社から自身に続く2人目の移籍者を送り出すほど)、移籍がすっかり自分事化していた。

自発的に推奨したいサービスに出会えて、後藤は満足感を得ていた。

ローンディールで資料を作成中の後藤

— 独立 < ローンディール

そして夏が終わる頃、
原田からCOOとしての打診がある。

最初は迷いもあった。選択肢として、テクノライブの売却整理が終わった後は、自分の会社を立ち上げ、ローンディールは引き続きパラレルワークで、と考えたこともあった。

それは、管理されることが苦手で、更には自発的に生み出したサービスでないと情熱が注げないタイプであることを自身が一番よく理解していたからである。

しかし、ローンディールに関わって数ヶ月。
移籍が自分事化していたというのもあるが、ゼロイチで作り上げていくことの余地が十分ある環境の中で、「ローンディールの成長にもっと関わりたい」いつの間にか、そう思うようになっていた。

もともと人の成長に興味がある後藤は、ローンディールの成長に強く惹かれ、COOになることを決意した。

— 日々「成長」に触れる中で

2018年11月。
後藤はローンディールのCOOに就任した。

就任して数日後、以前からひとりで商談を始めていた大手企業で、レンタル移籍の導入が決定した。ローンディールに関わるメンバーから賞賛の言葉が飛び交う。

後藤は心からその言葉を受け取ることができた。
本当に嬉しかった。

いつかはまた独立を考えるかもしれない。
それでも今はローンディールの舞台に立っている。

移籍者たちの奮闘する姿や、会うたびにマインドが変わっていく、行動が変わっていく、そして輝いていく彼らの「成長」に触れ、強くやりがいを感じている。

ここでやるべきことはたくさんある。
やってみたいこともたくさんある。
それが終わるまでは舞台を降りられない。

後藤の新たな挑戦ははじまったばかり。

「後藤さんも移籍経験者なんですね?」
「僕の場合は……」

1年後、後藤が話すストーリーは、今の何倍にも膨らんでいることだろう。

 

End

取材協力:株式会社LOUPE
storyteller:小林こず恵

 

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